ユーリ!!! on ICE
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あらすじ
主人公勝生勇利は23歳のフィギュアスケート特別強化選手。実力はあるが、初出場したグランプリファイナルで、メンタルの弱さからの大敗が響くなど、その後も大きな大会へも選抜されずに自身のシーズンが終了となる。スケートのために留年していた大学も卒業したことから、引退も含めた今後の身の振り方を考えるべく、スケート拠点にしていたデトロイトから5年ぶりに故郷・九州長谷津の実家である温泉施設「ゆーとぴあ かつき」に帰省する。 落ち込み状態からの気持ちの切り替えを兼ね、昔のリンクメイト西郡優子の前で憧れの世界トップフィギュア選手ヴィクトル・ニキフォロフのプログラムを滑るが、その動画を優子の三つ子の娘たちによって無断でネットにアップロード、拡散されてしまう。1か月後、その動画を観たヴィクトルが「ゆーとぴあ かつき」を突然訪れ、勇利のコーチになると申し出る。
「ゆーとぴあ かつき」に滞在し、優子と今はその夫である同じく幼馴染の西郡豪が働く地元のスケートリンク「アイスキャッスルはせつ」をホームリンクとすることにしたヴィクトルは、グランプリファイナル以後太ってしまった勇利に、痩せるまでコーチはしないし、リンクにもあげさせないと宣告したため、まずミナコ先生のバレエ教室等でシェイプアップに励むことになった。
ヴィクトルが勇利のコーチになったことが世界中に知れ渡り、長谷津の街も大騒ぎになる。勇利の体脂肪が元に戻った頃、次シーズンからシニア部門にあがることになっていたジュニア金メダリストのユーリ・プリセツキーが、「シニアデビューの際にはヴィクトルが振り付けたプログラムをくれる」という約束を果たせと、ヴィクトルをロシアへ連れ戻すために押しかけてくる。ヴィクトルは、対極的なテーマを持つアレンジ違いの2つの曲「愛について」に合わせ、ヴィクトルが振り付けたプログラム勝負に勝った方のコーチをすると約束する。ヴィクトルは勇利とユーリそれぞれの望みとは逆に、勇利には「エロス」、ユーリには「アガペー」のテーマを振り分ける。勝負のためのアイスショー「温泉 on ICE」は街を上げての開催の運びとなり、思わぬ流れでふたりの「ユーリ」は対決することになる。
ふたりの「ユーリ」はそれぞれにテーマに取り掛かり、勇利はヴィクトルによる「エロス・性愛」の模範演技から、色男に仕掛けられた恋の駆け引きをするうちに正常な判断を失って男に堕ちる美女の物語という解釈をし、自分にとって正常な判断を失わせるものは「カツ丼」という珍解答を導き出す。一方、野心と自信にあふれ、欲望が前に出てしまいがちなユーリも「アガペー・無償の愛」の糸口を、自分と祖父との関係性に見出していた。ヴィクトルはふたりの「温泉 on ICE」用にと、自分が過去に使った衣装をロシアから取り寄せる。勇利はその中にあった世界ジュニア時の衣装が、髪が長かった頃なので男女両方をイメージしたと聞き、ひらめきを得る。「温泉 on ICE」を迎え、先に滑ったユーリは今までの中では一番の出来とヴィクトルから評されたものの、自身の課題の消化不良に消沈する。勇利は男女の愛と欲望の物語を、色男ではなく追いかけられる美女のスタンスで滑り、新たな一面を切り開くことに成功する。自ら敗北を悟ったユーリは勇利をライバルと定めてロシアに戻り、勇利はヴィクトルのコーチのもと、グランプリファイナル優勝を目指すことを観客に宣言するのだった。
GS(グランプリシリーズ)には、そのまま「愛について〜Eros〜」をSP(ショートプログラム)として決めた勇利だったが、FS(フリースケーティング・フリープログラム)は自分でプロデュースするようヴィクトルに勧められる。勇利にはデトロイト時代に友人の音大生に作ってもらいながら結局は使わなかったオリジナル曲があり、そのことを知ったヴィクトルに聴かせたものの、良い反応は得られなかった。行き詰まりからのヴィクトルと感情的な行き違いが起こり、その解決に至るまでのヴィクトルとの交流から、他人に踏み込むことを怖がっていてはいけないと感じた勇利は、音大生に連絡を取って曲のテーマを変えたリメイクを頼み、新たな曲はヴィクトルも納得のいくものとなる。
GSの開催場所とアサイン(出場割当)が発表され、第1戦アメリカ大会、第2戦カナダ大会、第3戦中国大会、第4戦日本大会、第5戦フランス大会、第6戦ロシア大会のうち、勇利は中国大会とロシア大会への出場が決定するが、一方で全日本選手権は先シーズンの不振からシード権を失っているため、地方ブロック大会から参加する必要があり、今シーズン初戦はGSではなく中四国九州選手権大会となった。勇利は「自分の愛」をテーマとしたFS用オリジナル曲を「Yuri on ICE」と名付け、今シーズンに向かう。